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撮影レポート
沢尻エリカ
沢尻エリカ
沢尻エリカ
沢尻エリカ
黒のシンプルなドレス姿でスタジオに現れた沢尻は、上品さと気品を備えた印象だ。そこには既にブランチが降り立ったようである。まず、赤いバックでの撮影が始まると、その美しさにスタッフたちが息を飲むのがわかった。「優しい表情もください」とカメラマンから声がかかると、途端に表情が穏やかに。沢尻の凄さを感じさせる。
そのまま、モノクロ写真の撮影へと続く。撮影前にはカメラマンから、「目線はそれほどなくていいです」「自由に動いてもらって」など、どんな写真が欲しいか、どんな写真を撮るかが丁寧に説明された。それに頷き、リクエストに応える沢尻。顔の角度、目線を変え、手を動かし、ポーズを次々に変えていく。黒の衣裳ということがあるのか、笑顔はなく、どこか物憂げな表情が多いが、その美しさにその場にいた皆が惹きつけられていた。
モノクロのカットではイスに座った姿も撮影。脚を開き、腰をそらせ、足首を出した姿が艶っぽく、ブランチの自由奔放な一面を表しているかのようだ。
続いて、赤いライトを当てた撮影へ。「感情が出てくるように動いて欲しい」という要望に応え、沢尻は立ち姿やイスを使ったポーズを決めていく。カメラマンをはじめとしたスタッフからは「すごくキレイ!」「めちゃくちゃいい」と感嘆の声も上がった。さらにここでバスタブをセット。バスタブから足だけを出し、イメージカットを撮影する。足先の角度、膝の位置を少しずつずらして、何パターンも撮影を行った。

その後、沢尻は衣裳チェンジ。それまでの黒のワンピースから一転して、白のワンピースにシースルーのシャツを羽織り、髪もアップにした沢尻は、赤いライトでの撮影を再スタート。雰囲気が大きく変わった沢尻からは、ブランチの別の顔が感じられた。
「生き生きとした感じで、可愛らしさも欲しい」とカメラマン。スカートの裾をひらめかせて動き、帽子を手にして立つ姿はまるで少女のようだった。
再びバスタブがセットされると、縁に自然な様子で腰掛ける沢尻。細かな指示がなくとも、すぐにイメージを作り上げ、自らポーズを作る姿はまさにプロ。口元に手を当てるなど可愛らしさを感じさせるポーズで写真に映る。
さらに、バスタブの中に入り、肩を出すポーズでは可愛さとともに艶っぽさも感じさせる。特に背中からのショットは美しさの極みだ。その場の視線を一身に集めながら、写真に収まる沢尻の存在感は圧倒的だった。
その後、髪を下ろし、素足になった沢尻に、カメラマンから「映像を撮られているかのように流れるように動いて」というリクエストが上がる。その言葉を聞いた沢尻は、一気に芝居モードに。悩み、苦しんでいるかのようにも見える表情で優雅に、時に激しく動く。
撮影はかなりのカットに及んだが、疲れた表情すら見せず、真摯に向き合う姿が印象的だった沢尻。純真であり、強かであり、可愛らしくもあり、艶やかさも併せ持つ。そんな沢尻のブランチに早くも期待が膨らむ。
伊藤英明
伊藤英明
伊藤英明
伊藤英明
ブラウンのブルゾンにブルーのパンツというラフな姿で颯爽と現れた伊藤。兵隊上がりの工場労働者であるスタンリーのワイルドさが際立つ。
撮影は、まずは赤い背景の写真からスタートする。「動きながら撮りますか?」と伊藤から質問が上がると、カメラマンは「肩の動きをつけてください」とリクエスト。その言葉に呼応するように、体の角度を変えながら撮影をしていく。ブルゾンを脱ぐと、鍛え上げられた筋肉とたくましさが際立つ半袖のTシャツ、サスペンダー姿に。さらにワイルドな印象が強くなる。
続いて、モノクロ写真の撮影へ。正面からカメラを見つめる、目線を外して立つ、サスペンダーを触る、腕組みするなど自ら動きをつけていく伊藤。カメラマンからは思わず「いいね!」という声も上がった。
さらに、イスに座ったカットも撮影。脚を大きく開き、椅子の背にもたれかかるように座る姿は、早くもスタンリーという役を掴んでいるかのようで、芝居への期待もさらに高まる。
床に座り込んでの撮影では、うつむき、物思いに耽るような姿も見せる。まるで物語の先行きを暗示しているかのような姿はスタンリーそのもの。伊藤にとって、スタンリーはハマり役になるという確信を持った。

最後は、赤いライトを照らしたカットの撮影に。壁に影が映し出される幻想的な雰囲気の中、伊藤は「その場で左右に動いて」というカメラマンからのリクエストに応えていく。ブルゾンを手に持ち、自然な動きで魅せた。
メインカット
メインカット
メインカット
メインカット
作品のイメージを伝えるメインカットの撮影は、イスに座った沢尻を後ろから包み込むようにハグする伊藤というポーズで撮影された。撮影前には、二人が談笑する姿も見られ、和やかな雰囲気の中、撮影が進む。
「もう少しだけ正面に顔を向けて」「肘のあたりに手を当てて」と細かく角度を調整し、イメージを作り上げていく。
目線を外し、スタンリーを拒むかのように険しい表情を作るブランチと、ブランチを見つめるスタンリー。こじれていく二人の関係性を暗示しているかのようだ。連続的な困難なポージングをキープしながらも、彼らの表情は一切揺らぐことなく撮影が続いていく。
続けて、伊藤がブルゾンを脱ぎ、Tシャツ姿になった姿でも撮影が行われた。二人は、手の位置や顔の角度、視線を少しずつ変えていく。その完成された姿にカメラマンやスタッフから「ナイス!」「美しい」と歓声が上がった。さらに、カメラマンからのリクエストに応えて、伊藤が立ったままバックハグするポーズをすると、また違った印象の写真になる。ただ、どれほどポーズを変えても、決して二人の視線が交わることはない。まさに物語を象徴する撮影になったと感じた。
文 嶋田真己
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『欲望という名の電車』

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